『ドラゴン桜』に教わった時代の変化

自分が変わらなくちゃいけない、その事実を僕は『ドラゴン桜』のパート2から教わりました。

ドラゴン桜2』では、桜木建二が「1」とは一転、「今の時代は頑張るな」と言い切ります。ガムシャラに頑張るのではなく、そうしなくても結果が出るしくみづくりに注力すべきという。

「1」では、ものを教わる生徒の側がいかに変わるかを説いていたのに対して、「2」は、教える教師の側に立った物語になっているのです。

では教師はどう変わらねばならないのか。従来の「ティーチング」ではなく「コーチング」できる存在になるべし。そして生徒たちは、コーチングの助けを借りながら自分たちで学びを促進できるようになれ! という話になっています。

経営者としての僕も、ティーチングではなくコーチングやファシリテーションに徹して、社員がみずから仮説を立てて仕事を実行し検証できる場をつくることに注力すべし。『ドラゴン桜2』が、明確にそう教えてくれました。

一流作家の嗅覚への敬意と畏怖

新入社員のころの僕は、桜木建二から仕事に臨む姿勢やヒットを生むための考え方を学び、経営者になってからは時代に合った組織づくりや人の育て方を教えてもらった。

結局僕はいつも、『ドラゴン桜』著者の三田紀房さんに助けられているのだと改めて感じます。

それにしても三田さんは、なぜ桜木建二のやることを、これほど時代にぴたり則して変えられるのだろう。一緒に作品をつくっていても不思議でしょうがない。

これぞ一流作家に特有の、時代や世の中を見るするどい嗅覚だ、ということになるのでしょうか。