成功者の変化「ヤフー川邊社長は房総半島の自宅で動物たちと戯れる」

同時に、周りを見渡してみたときに、いわゆる「成功者」と呼ばれる人たちの「お金の使い方」が変わってきていることにも気づきました。

僕は投資家という仕事柄、超がつくほどの大金持ちの社長さんとも交流があります。彼・彼女たちのお金の使い道の象徴といえば、10年前には「都心の一等地の豪邸」や「豪華な専用クルーズ」の所有でした。

ところが、インターネットの発達により、「いつでもどこでも仕事ができる」という新しい前提が広がる中で、都心から離れた郊外に土地を買って、広い家に住み、都会にはない時間の流れや交流を楽しむ人たちが増えてきたのです。

ヤフー社長兼Zホールディングス社長の川邊健太郎さんは、房総半島の海辺にカントリー調の家を建てて、動物たちと戯れながら暮らす生活を始めました。

4人家族とゴールデンレトリーバーでフリスビー
写真=iStock.com/gorodenkoff
※写真はイメージです

都会のように充実したインフラがない分、不便もあり、ある意味「非合理性」を追求した生活なのかもしれませんが、緊急会議にはヘリコプターを飛ばして参加するという「合理性」も兼ね備えたハイブリッドライフです。

川邊さんの枠にとらわれない自由な発想力に、僕も刺激をもらいました。

「つながり」のほか、お金をかけているのは「自分磨き」です。

英語を勉強したり、本を読んだり、トレーニングマシンの上に乗って歩いたり走ったり。自分の心と体を磨くための時間とお金は、この1年でとても増えました。

ただ、この自分磨きも「なんのためにやっているか?」と突き詰めて考えると、「つながりをつくるため」だと思います。

英語を勉強すれば、たくさんの人とコミュニケーションが取れるようになる。本を読んでいろんな知識をつければ、会話が楽しくなる。定期的な運動で健康を維持すれば、いつまでも人に会いに行ける。こうした目的意識の元、楽しみながら続けています。

「人間」という字が表すように、人は“人との間”にいろいろなものを生み出す中で、その生涯を満たしていく生き物です。

長い人生を、人とつながり、つながりから豊かさを生み出せるように。

僕は意思をめぐらせながら、つながりにお金を使っています。