無駄遣いを減らすにはどうすればいいのか。ファイナンシャルプランナーの飯村久美さんは「浪費を防ぐには、必要なものをその都度買うのがいちばん。タイムセールや送料無料といった甘い言葉に惑わされてはいけない」という――。

※本稿は、飯村久美『お金の先生! できるだけ簡単にお金が増える方法を教えてください。』(アスコム)の一部を再編集したものです。

スーパーで野菜や果物を買う女性
写真=iStock.com/SDI Productions
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「安くても消費量は倍増」ビールの箱買いはNG

多くの人がまとめ買いをするのは、平日は仕事で忙しいので、週末に1回買い物するだけなら手間が省けて、節約できた気分になれるからでしょう。

その際にやりがちなのが、晩酌用のビールを箱買いすることです。自宅で飲むことが増えた昨今、さらに箱買いしている人が多くなっているのではないでしょうか。

その習慣、実はお得ではありません。

1本あたり数十円安いので、「1箱で数百円も得した!」と思うでしょう。実際そうなんですが、そのせいで消費量が格段に増えてしまうところが、箱買い、まとめ買いの盲点なのです。あると思うと、ついつい進んでしまうのがお菓子やアルコール類の嗜好品です。

甘味やアルコールをとると脳が快感を覚えます。この快感を覚えるメカニズムは、なんと麻薬中毒と同じなのです。そのため、甘いものもアルコールも、体がもうこれ以上必要がないというサインを出しても、脳がそのブレーキを解除してしまうのです。

ダイエット中の人が、ときどき甘いものを猛烈に食べてしまうことや、じゅうぶんに酔っている人がビールをおかわりしてしまうのは、依存性があるからです。

ビールを箱買いするようになってから、休肝日がつくれなくなったという話をよく耳にします。1日1本を守れる人はいいのですが、「今日は大変だったからもう1本飲もう」と増えていった結果、消費量は2倍になってしまうのです。