※本稿は、『Study Hack! 最速で「本当に使えるビジネススキル」を手に入れる』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。
“雑談下手”な人の特徴とは
人生というものは、自分を取り巻く人たちが多ければ多いほど豊かになります。それなのに、狭い人間関係のなかに閉じこもっている人もいる。そして、その傾向は、とくに若い世代に強いように感じます。理由は、「雑談力」がないから。
雑談とは、コミュニケーションのもっとも初期段階のものです。それがうまくできなければ、当然、人間関係の輪は広がっていきません。狭い範囲の内輪の関係だけに満足して、本来、出会えるはずの楽しい人と出会えないということになる。そんな人生はやっぱりおもしろくないですよね。
ただ、雑談と一言でいっても種類があります。そのひとつが「無意味な雑談」。雑談という言葉のイメージから、雑談自体に意味があまりないと考える人もいるかもしれませんが、そうではありません。意味がある雑談もあるのです。それは、なにかを生み出す雑談といっていいでしょう。一方、無意味な雑談はその逆で、「なにも生み出さない雑談」ですね。どんなものかというと、時間潰しの雑談です。
時間潰しの雑談の特徴は、互いに相手の話を聞いていないということ。ただ、自分が話したいことに終始してしまう。相手が話し疲れたと思ったら、自分が話したいことをバーっと一気に話しはじめる。そんな人がみなさんの周囲にもいませんか? こういう会話はなんの脈絡も意味もないものです。時間潰しの雑談を続けていたら、いつまでたっても人間関係を広げることはできません。
自分を気に入ってくれるのは会社ではなく“人”だ
コミュニケーションをあまり重視しないという人もいますが、わたしは人生においてもっとも重要なもののひとつだと思っています。雑談でコミュニケーションのスタートを切れなければ、ものすごく損な人生を歩むことになる。
わたしの会社は法人向けの社員研修を行っています。クライアントの数は、一部上場企業では1700社くらい。ただ、それらの会社がわたしの会社を気に入ってくれているというわけではありません。わたしの会社を気に入ってくれているのは、クライアントの担当者なのです。担当者がわたしの会社を評価してくれれば、その会社全体が動く。そして、その担当者、つまり人を動かすのは間違いなくコミュニケーションです。コミュニケーションがすべてといってもいいでしょう。
なぜかというと、人は、嫌いな人の話は聞きたくないからです。逆に好感を持った相手の話は頭に肯定的に入ってくるようになる。自分の話を、相手がすべて肯定的にとらえてくれるか、あるいは否定的にとらえるか。どちらの人生が得か損か、考えるまでもありませんよね。