韓国との「最悪の外交関係」は日本の国益にはマイナス
元慰安婦に関しては、文政権が一方的に壊した2015年合意を復旧することへの協力が、日本としてできる一つの方策だと思う。しかし、それに限られない。韓国側からたびたび聞こえてくる「何か自分たち(元慰安婦)の心に響くような発信をしてください」という声にこたえる方策はないだろうか。
そのような外交に向かって日本が動き出すというシグナルは、慰安婦問題に限らず、日韓関係全体をもっと温かいものにする可能性をはらむ。絶対に成功するという保証はできないが、やってみる価値はあるのではないだろうか。
なぜなら、それが日本の国益だからである。韓国との外交関係開設後最悪という不正常な状況は、私にはどうしても日本の国益になるとは思えない。米中対立で緊迫する北東アジアで日本の国益を極大化していくためには、韓国と手を組み、お互いに裨益するところを拡大していくことこそが、肝要ではないだろうか。(2021年4月27日記)