「人生の3大費用」を言えない人は金融リテラシーが低い

女性が生き抜くための術
その1「金融リテラシーの向上」

金融広報中央委員会によれば、調査対象者2万5000人に対して、金融リテラシー・クイズを実施しています。

例えば、こんな出題です。

Q:一般に「人生の3大費用」といえば、何を指すでしょうか。(次の中から1つ選ぶ、正答2)
1.一生涯の生活費、子の教育費、医療費
2.子の教育費、住宅購入費、老後の生活費
3.住宅購入費、医療費、親の介護費
4.わからない
Q:10万円の借入れがあり、借入金利は複利で年率20%です。返済をしないと、この金利では、何年で残高は倍になるでしょうか。(次の中から1つ選ぶ、正答2)
1.2年未満
2.2年以上5年未満
3.5年以上10年未満
4.10年以上
5.わからない

このような正誤問題5問が出題されていますが、男女別正解率は全年代で男性が54.3%、女性が50.8%とやや男性の点数のほうが高くなっています。

18~29歳で男性42.1%、女性39.5%、30代で男性50.2%、女性45.9%と年代が変わっても、男女の結果が逆転することはありません。わずか5問の正答率ですが、女性正答率のほうが男性に比べて低いという傾向は、3年前の調査結果と変わりません。

なぜ、お金に弱い女性が多いのか

金融リテラシーに男女差が生じてしまう理由のひとつが、金融について学ぶ機会が少ないことが挙げられます。金融庁「証券投資に関する全国調査 平成30年度調査報告書(個人調査)」によれば、証券投資についての教育を受けたことがない若者は約7割に上り、女性は男性に比べて教育を受けたことがない人の割合がやや高くなっています。

さらに、証券投資が必要だと感じていない若者(20~24歳)は、男性よりも女性のほうが多く、その理由として、約4割の女性が金融や証券に関する知識を持っていないことを挙げています。女性のほうが金融について学ぶ機会が少ないことは、男女の知識差につながっている可能性は否定できません。

貯金箱にコインを入れる女性
写真=iStock.com/Nattakorn Maneerat
※写真はイメージです

来年(2022年)度からは、学習指導要領の改訂により、高校の家庭科の授業で金融教育が拡充されますので、次世代の子どもたちは、金融や経済について学ぶ機会は増えることが期待されます。

しかし、すでに社会に出ている女性のなかで、金融リテラシーに自信のない方については、自らが学ぶ機会を持つことが第一歩につながると考えます。