「財」の根本的な性質が変わりつつある

かつては、お金にはならなかったボランティア活動も、クラウドファンディングを通じて金銭的な支援がなされるようになった。家事や子育て、「困っている人を助けるのが好き!」という人への報酬も、NPO法人などからの支援で支払われる仕組みが整ってきた。彼らのようなボランティアが創出している財を、旧来のGDPの枠組みに入れるのは難しいだろう。

堀江貴文『非常識に生きる』(小学館集英社プロダクション)
堀江貴文『非常識に生きる』(小学館集英社プロダクション)

ひと昔前まで、GDPに組みこまれている仕事とは言えなかった遊びや趣味が、仕事に成りかわり始めている。逆に従来的な仕事よりも、はるかに儲かる場合も少なくない。このように財の根本的な性質は、変わってきているのだ。

辛い労働を手放し、好きなことだけで食べていくのは不可能だという古い常識は、テクノロジーの進化によって、様変わりした。

仕事に隷属する労働者根性にしがみついていたいなら結構だけど、その生き方は財を獲得するための正しい情報と思考が足りない証拠だ。

日本は儲けまくり、稼ぎ倒している国だ

「財が足りない」と嘆く人は、どこに財があるのか気づいていないだけだと思う。

筋のいい情報と俯瞰的な視点を正しく身につけていれば、尽きることのない財はあなたのすぐ近くにある、と気づける。

長引く不景気で、みんなが貧しくなっているとか、経済先進国の地位が急落したとか、ネガティブな情報にばかり目を向けてはいけない。

IMF(国際通貨基金)の調査によると、日本のGDPは1980年から右肩上がりを続けていて、ほとんど下落していないのだ。近年のGDPは名目で550兆円を超えている。30年余りで、倍以上の増額だ。こんなに儲けまくり、稼ぎ倒している国に暮らしていて「財が足りない」と嘆いているのは、ブラックユーモアでしかないだろう。

世の中に、富は有り余っている。財は足りていないどころか増える一方で、これからどう分配していくか? と、シンクタンクなどの研究機関で考えられているのが実状だ。これからは放っておいてもAIやロボットが、人を食べさせてくれる。多くの労働は減っていき、人の自由な時間はますます増える。好きなことばかりをしてはいけない、ではなくて、好きなことしかやることがない! という時代になるのだ。

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