「ランチでは5000円のうな丼を食え」と言う理由

「起業するためにお金を貯めています!」と言って、食事は500円ランチか、吉牛やマクドナルドで済ませている若者がいる。500円ランチもファストフードも別に不味くはないが、起業家を目指すというなら、あまり推奨できる姿勢ではない。

美食には、お金を惜しんではダメだ! ご飯への出費からは、投じた以上の機会創出と、知識を満たすリターンが得られる。

安くてそこそこ腹を満たせるひとりメシを続けていると、その回数分、ライフステージを上げるチャンスを失っている。安いメシで腹を膨らませているビジネスパーソンに、良質な人脈が築けるとは思えない。

僕は、ランチではうな丼を食え! と言っている。それもチェーン店の1000円程度のうな丼ではなく、浅草や日本橋など老舗店のうな丼を食べてほしい。ひとりで5000円以上するが、その金額分の情報の獲得と、学習の代金だ。

5000円のうな丼を食べる、それ自体が情報のシャワーだ。

このご時世に、なぜ5000円もの値段がついているのか? 味を維持する方法は? 経営がどう回っているのか? 知れば有益な情報が丼いっぱいに詰まっている。

高額のランチは、外食産業の構造を考えるのに格好の機会だ。舌を通して考えるので、思考はより深まり、学びの質も上がるだろう。

美食を楽しむには、健康であることも大事だ。体調のバロメーターとしても、役に立つ。食事への出費は、ただの贅沢ではない。投資としてもいいことずくめなのだ。

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「僕たちは、働かなくてもいい」

これからの時代、生き残れるのは、安定した仕事を与えられた人でも、お金持ちでもない。働かなくてもいい世界で、自分なりのモチベーションを持ち、何かの行動を起こせる人が、生き残れるのだ。

僕たちは、働かなくてもいい。やりたいことを、やる勇気だけだ!

そのように僕が主張しても、「お金がないのだから、嫌々でも働かないことにはどうにもなりません」と反論する人は、とても多いだろう。

まず「財が足りない」という意識が、問題だ。それを解いていくのが先決だ。

資本主義社会において長年、経済の指標となってきたのは国内総生産=GDPだ。この数値は、国家の運営に役立てようという意図で設計された指標だ。産業革命以降の資本主義国家の経済発展に、物差しとしては役立った。

だが近年は役目を終えつつある。GDPは、国民が働いた成果を、すべてお金の価値に還元して算出されている。しかしテクノロジーの進化により、「働く」の定義が曖昧になってきた。そんな時代に、信頼できる指標になりえるのだろうか?

例えば、好きなことを公開して広告収入を得ているYouTuberは「楽しみを共有する」という、無形の財を生んでいる。SHOWROOMなど配信アプリでライブ活動を頑張っているアイドルやタレント、趣味や旅行先の写真をアップして稼いでいるインスタグラマーも同じだ。