先が見えないことに不安を隠せない
この症状との付き合いが終わるのは半年後か、1年後か、それとももっと先なのか、先が見えないことに不安を隠せない。担当医からはあまり動かないように、と言われているが、ずっと動かないのもストレスになってしまうという。彼女は後遺症の存在を知ってほしいと願い、比較的体調がよい日に電話で話してくれた。
「昨日だったら話せなかった」
そう笑いながら話し、私の体調まで気遣ってくれた。彼女の優しい声を聴きながら、突然日常を奪われてしまうこの症状が実際に彼女を襲っていること、そしてそれが私たちにいつ起きてもおかしくないことを思い知らされた。
コロナ感染症・後遺症のサポートグループ「Body Politic」が、計56カ国のメンバー3800人に実施した調査によると、回答者の85%に認知機能障害、81%に痺れや神経系の支障、また半数に話すなどの言語機能の支障といった後遺症が出た。また回答者の4分の3は仕事に復帰することが難しい状況にある。
今後コロナの感染状況が落ち着いたとしても、後遺症との闘いは長くなるかもしれない。日本でも、支援や情報にたどり着けるような機関が今、必要とされている。