初の日米韓協議で「北朝鮮の非核化への連携」を確認
4月2日、日本とアメリカ、それに韓国の安全保障担当の高官らがアメリカ東部メリーランド州の海軍兵学校に集まり、北朝鮮の核・ミサイル問題について協議し、非核化に向けた緊密な連携を確認する共同声明を公表した。南シナ海と東シナ海で軍事的な海洋進出を止めない中国に対する、インド太平洋地域での安全保障に関する3カ国共通の懸念についても意見が交換された。
日本からは北村滋国家安全保障局長が、アメリカからはジェイク・サリバン国家安全保障担当大統領補佐官が、そして韓国からは徐薫(ソ・フン)国家安保室長出席した。現在、アメリカは北朝鮮政策の見直しについて最終調整を進めている。このため、今回の日米韓協議はアメリカが主導した。バイデン政権下で多国間の安保保障分野の高官会談が行われるのは初めてのことである。
どうすれば北朝鮮は核武装を諦めるのか
3月にアメリカの国務、国防の両長官が日本と韓国を訪問してそれぞれの国で「2プラス2」の会合を行った際、対北朝鮮、対中国の政策に関して日本と韓国にかなりの温度差があることが問題化した。韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権は日本に比べて消極的で、これを心配したバイデン政権は3カ国間で入念な意思統一が必要だと判断し、4月2日に日米韓協議を開催した。日米韓の連携の鍵を握るのは韓国である。
3月30日付の記事<なぜ文在寅政権は「北朝鮮の核ミサイル武装」を平気で許すのか>でも主張したように、北朝鮮に核・ミサイルの開発を諦めさせるには日米韓の強い連携が求められる。
だが、連携の鍵を握る肝心の韓国が弱腰なのだ。文在寅大統領が慰安婦問題と徴用工訴訟を利用して韓国民の反日感情を煽りながら内政を推し進めた結果、北朝鮮と中国への対応で日本と大きな温度差が生じてしまったのである。