「成果」をマネジメントする

モチベーションのマネジメントは手放して、成果をマネジメントする。ならば、いったいどのように成果を出させればいいのでしょうか。

こう言うと、「結局やる気がなくて行動していないから成果が出ない。行動の指摘をしても部下が変わらないから悩んでいるんだけど……」とおっしゃる方もいます。再びモチベーションを起点にする考え方に戻ってしまうのです。

その場合は、まず部下と一緒に行動してみることです。そして、その行動がなぜ重要なのか、なぜ有効なのかを部下が理解できるよう、伝えます。その次は、部下に自分でやってもらう。

できるようになったら、また、別の行動を一緒にする。それを繰り返し、リアルタイムでフィードバックし、小さなことでも承認する。すると、部下はだんだん自然に仕事のコツをつかみ、自分で成果を上げられるようになり、結果としてモチベーションも上がっていきます。

パフォーマンスの上昇
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結果を出させてやるのが「いいマネジャー」

結果が出始めると、その人は、今度は自分なりの工夫を加えるようになります。それでさらに成果が得られると、ひとりでチャレンジし続けるという好循環が回り始めます。

何も難しいことはありません。個人的な能力にさほど関係ない部分をきちんと仕組み化したり、結果を出すためのポイントをしっかり教えたりしてあげれば、ほとんどの人が「求められる目標」は達成できます。それが自信につながり、モチベーションも向上します。

プロ野球選手を見ても、どの選手もプロとしてのポテンシャルは備えていますが、誰もが活躍できるわけではありません。能力=結果ではないのです。

結果を出すと一言で言っても、個人の能力以外の要素が山ほどあります。たまに部下の能力の低さを嘆く上司がいますが、実際は「個人の能力以外のところ」に問題があることも多いのです。

「与えられた戦力で結果を出すのがマネジャーの仕事である」きもめいじてほしいものです。