物の整理の仕方は、その人の性格や生き方を表す

石見「ベランダの室外機のそばに鳩が巣をつくっていて、別の業者に回収を依頼したこともあります。法律の関係で、巣に卵やヒナがいれば、われわれには手を出せないのです。ですから東京都に連絡して、専門の業者にお願いするのですが、ヒナ1羽を回収するのに、1万円もかかりました……」

バルコニーから保護した鳥のひな。
写真提供=あんしんネット
マンションのベランダ室外機裏に鳩が巣をつくっていた。2羽のひなは保護された。

飼い主が亡くなった後も、ペットは生き続けることを忘れてはならない。飼い主に万が一の事態があった際のペット引き取りを請け負う業者がある。自分であらかじめ「引き取ってくれる人」を決め、その人に相談の上、「遺言書」を作成してもいい。遺言書には引き取ってくれる方の名前と、託すお金を記しておく。

何もかも残さないようにするのは難しいが、なるべく“身軽に”なろう。私たちは生きているだけで毎日たくさんのゴミを出す。しかし高齢になれば、ゴミを捨てる体力や片付ける気力が失われていく。誰かの手を借りながらでも、不用品はこまめに処分しておきたい。そして自分の死後のペットや物の行き先を決めておく。

物の収集や、整理の仕方は、その人の性格や生き方を表すといわれる。本来、“生きていた証し”は本人か、本人を愛する人の手で行われるのが一番いい。(続く。第14回は4月26日に公開予定)

【関連記事】
「独身男性のゴミ部屋には縛り系のエロ本が多い」数千冊をため込む切ない理由
ゴミ屋敷に住んでいる人が「これはゴミではない」と主張する本当の理由
「左足をやむなく切断」想像を絶するほど過酷な"ゴミ屋敷清掃"という仕事
「トイレは干上がり、ゴキブリが大量発生」ゴミ部屋に愛着をもつ70歳女性の孤独
「仕事やお金を失ってもやめられない」性欲の強さと関係なく発症する"セックス依存症"の怖さ