過度なダイエットから、過食と嘔吐へ

食事制限と運動という典型的なダイエットに取り組み始めると体重が目に見えて減っていく感覚にのめり込み、カロリーは1日あたり500キロカロリーまでに制限。それしか食べていないのに6時間立ち仕事のバイトをした後に5駅歩いて帰宅するなど、明らかに行き過ぎた運動をするようになりました。

しばらくそんな生活を続けていると、ストレスのせいか身体的な異常のせいか時々自分でも制御できないような強烈な食欲を感じるようになり、過食と嘔吐を始めました。食べたいけど食べるのが怖い。食べてしまう意志の弱い自分が憎い。食事に誘ってくる友人を迷惑に思うこともありました。

それから数年経って、こんな生活を一生続けられるわけがないと思い、ようやく健康的な食生活に戻ることを決意しましたが、自分に植え付けられた恐怖心や身についてしまった嘔吐の習慣を手放すまでには長い時間がかかりました。

外見の評価、言葉にする前に立ち止まって

外見で判断される風潮に苦しめられるのは、体型に自信のない人だけではありません。

シオリーヌ(大貫詩織)『CHOICE 自分で選びとるための「性」の知識』(イースト・プレス)
シオリーヌ(大貫詩織)『CHOICE 自分で選びとるための「性」の知識』(イースト・プレス)

身長にコンプレックスがある人、顔のパーツが気になる人、自分の声が嫌いな人。そうしたコンプレックスを抱くようになった背景には、第三者からの評価があることも少なくありません。

誰かの外見を見た時に「綺麗だな」と思ったり「自分の好みではない」と思ったり、心の中でどんな感想を抱いたとしてもそれは自由です。でも人の外見に対しての評価を言葉にして伝えることは、その人の一生を左右する可能性のある行為であることを忘れないでください。

たとえそれが褒め言葉のつもりだったとしても、相手にとっては一生モノのコンプレックスを新たに植えつけられる経験かもしれないし、すでにあるコンプレックスを掘り起こすきっかけになるかもしれません。

外見を評価する言葉を手放して人を褒めようと思うと、意外と語彙が必要だなと感じますが、その気遣いの積み重ねがより豊かな人間関係を育んでくれる気がします。

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