プライベートに立ち返らないと、おじさん化防止はできない

「最初、自分のことを20分話せと言われたが、3分で止まってしまった。でも研修の最終日には、20分では足りないほど話せるようになった」
「全員が協力しないと立てないワークで、不可能と思っていたのに立てるようになった。一人でできることは少しであることに気がついた」
「同じことをやっていても、みんな思いや気づきは違うことがわかった」
「人の話を聞けていなかったことがよくわかった」

座学だけでなく、体を動かすワークなど、様々なNLP(神経言語プログラミング)を応用したワークショップを用い、気づきを言語化し、夜は蠟燭のもとで車座になって語り合う。自分に深く向き合い、自己開示し、人との違いを知り、家族や仲間とのコミュニケーションやつながりの大事さを知る。規格化され、硬い鎧で身を守ってきた管理職たちが、鎧を脱ぎ、一人の人間に立ち返るまでを早回しで見ているような研修でした。

自分と家族の問題に深く向かい合うことは、多分仕事一筋でやってきた人には、どんな仕事よりも難しいかもしれません。しかし、プライベートまで立ち返らないと「おじさん化防止」はできないのです。

自分の感情と向き合い、家族と向き合う

コロナで飲食業界は厳しい状況ですが、内村さんは「研修がなかったら、このコロナをどう過ごしたんだろう? と思うと、心底やっておいてよかった! と思ってます。社員は自分の感情に向き合えるようになったことで、客観的に状況を捉えられるようになっていたと思います。先に研修で感情を耕しておいたことで、余裕時間が増えたなかで年齢なりの成長テーマをつくることもできています」と話しています。

コロナの緊急事態では、学校も休みで、家族と一緒に同じ場所で生活して働くことが増えました。軋轢も増え、内閣府調査では生活満足度は下がりましたが、下がっていない家庭は何が違ったのか? 男性の家事や育児への参加が増えたところは、生活満足度は下がらなかったのです。家族で「Netflix」を見るなど、新しい「絆」も生まれました。

読者の皆さんはぜひ、手遅れにならないうちに、「家族」という最大の資産と向き合ってください。

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