「完了形」の言葉を刻む
人間が1日のなかでいちばん話している相手は、ほかでもない自分自身です。「寒いなあ」「急がなきゃ」という独り言も含めて、誰よりも自分と会話をしています。
では、もし目標を考えて、「うまくいかないかも……」という言葉をよく使っていたらどうなるでしょうか? おそらく落ち込んでいるイメージが浮かんできて、ますます「うまくいかないかも」という気持ちになります。
逆に、「うまくいった!」という言葉を使っていれば、まわりから祝福されているイメージが浮かんできて、気持ちいい感情を味わいながら行動に移りやすくなるでしょう。
つまり、自分と、どんなセルフトークをしているかが大切だということ。肯定的な言葉を何度も自分に話すことによって、ふだん頭のなかに見えているイメージを変えていく。すると感情も変わり、無理だと感じていたものごとにも挑戦しやすくなります。これは「アファメーション」と呼ばれる、自己言及のメカニズム、方法のひとつです。
2012年のロンドンオリンピックで金メダルを取ったボクシングの村田諒太選手は、大会前から自宅の冷蔵庫に、「ロンドンオリンピックで金メダルを取ることができました、応援ありがとうございました」という紙を貼って、毎日眺めていたそうです。
この例が示すように、目標を「完了形」で書くのも大切。「~したい」と書くと、脳は「まだしていない」と認識しますが、目標を完了形で見続けていると、「~した自分ならどうするだろう?」と自然に考えるようになるからです。
言葉を変えることから、すべてがはじまります。