※本稿は、星渉『神メンタル 365日ストレスフリーで生きる方法』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。
“不安”が生じる脳内メカニズム
2020年は、新型コロナウイルス感染症が世界中で猛威を振るいました。そんな想定外の出来事によって、不安や心配にとらわれた人も多かったことでしょう。
不安の感情は、「コントロールできないものをコントロールしようとするとき」に生じます。例えば、試験の合否はコントロールできません。合否を決めるのは学校や会社であり、自分にできるのは、あくまでも試験に対して最善の準備をすることです。
でもこのとき、ついコントロールできない結果について心配しはじめると、不安が生じるわけです。ウイルス感染症も、自分でコントロールできるものではないですよね。
逆にいえば、このメカニズムに気づくと、不安は解消できます。自分ができることに最善の準備をしたのなら、もう自分にできることは終わっているからです。
ただし、自分ができることに対してベストを尽くさなければ、不安はいつまでも消えません。試験勉強を一生懸命やっていなければ、心のどこかで「無理かもしれない」と感じて不安になるわけです。
自分でコントロールできるものとできないものに分けるだけで不安が消えるのではありません。
分けたうえで、自分ができることに集中し、「これ以上できない」くらいに取り組んだかどうかにかかっているのです。
心配ごとが少ない人の共通点
様々な研究で、ネガティブな感情の大小には、「どれだけ心配ごとを少なくできるか」が影響することがわかっています。では、心配ごとが少ない人とはどんな人なのか?
ひとことでいうと、「気持ちの切り替え」が上手な人です。
気持ちをうまく切り替える方法として、もっとも簡単で、かつ効果が大きいのは、不安を感じたときに、第一声で「どんな言葉を発するのか」をあらかじめ決めておくことです。