見えない迷惑になる「香り」と「ニオイ」問題
見えない気配りとして大切なのが香りやニオイに関すること。
公共交通機関で長時間移動することが前もってわかっていれば、いつもつけている香水をその日はやめておいたり、より柔らかな香りにシフトするのもいいでしょうし、車内に充満するようなニオイの強い食べ物を持ち込まないのもマナーです。目に見えないからこそとくに気をつけたいところでもあります。いちからメイクを施したり、ネイルを塗り直したりするなんてもってのほかでしょう。
これまでいくつかの例を挙げてみましたが、ドキッとすることはありませんでしたか?
先にも述べたように、新幹線の車内はれっきとした公共の場です。迷惑行為にならないよう気をつけなければいけないのは当然のことです。ただし、すべての人が無音状態でいるべき、飲食はすべて禁止すべきだという極端な考えもふさわしくはありません。移動時間を有効利用して仕事を片付けるのもかまいませんし、おしゃべりも周囲に不快にならない音量であればいいわけです。「周りの人に気配りしながら」というのがポイントなのです。
一人ひとり迷惑に感じる度合いは異なりますが、そこで、常識的な行動をするためにも基準となるのがマナーの存在。マナーとは、自分も相手も心地よくいられるように気を配ることでもあります。大きな音を立てたり、不快なニオイを撒き散らしたりしないのは当然のことですが、マナーを便利な基準として、お互いが監視し合うような窮屈な空間にならないよう、やさしさをベースとした振る舞いをしたいものです。