電車のなかで騒ぐ子供を静かにするには、どうすればいいのか。早稲田大学教育学部の本田恵子教授は「『静かにしなさい』などの頭ごなしの否定はNG。『本を読みましょう』『お口を閉じましょう』などの肯定的で具体的な行動を促すのがいい」という――。

※本稿は、おおたとしまさ・監修、STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ・編集『究極の子育て 自己肯定感×非認知能力』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。

電車のドアから外を眺めている日本の子ども
写真=iStock.com/subman
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「キレたら一発退場」のSNS時代

17歳前後の少年が相次いで凶行を起こしたことで、「キレる17歳」という言葉がメディアを賑わせたのは、2000年頃のこと。それから約20年が過ぎましたが、その間にも、いわゆる「キレる」子どもたちが引き起こす学級崩壊等の問題は報じられ続けています。

また、スマートフォンやSNSの普及によって、事件になるような出来事に限らず、ちょっとした言動までが、全世界に発信され残り続けるようになっています。キレて見境のない行動を取っていては、取り返しのつかないことになってしまう危険性もあるのです。

そうした意味でも、親たちは子どもを、自分自身の怒りをコントロールできる「キレにくい」人間に育てなければならないといえます。

「キレる」人間には3つのタイプがある

一般的に「キレる」というと、興奮して怒っている状態をイメージするでしょう。でもそれだけではなく、「キレる」人間には大きくわけて3つのタイプがあります。

ひとつは、すぐに興奮する怒りっぽいタイプ。わたしは「赤鬼」タイプと呼んでいます。アドレナリンが出やすく、いろいろな刺激に対してすぐに興奮してカッとなるタイプですね。

このタイプは、八つ当たりをしやすく周囲に自分の感情をまき散らします。大人でも、パワハラをするような人はこのタイプに属します。

その逆にあたるのが「青鬼」タイプ。強い不安を抱えていて、ひきこもる傾向にあります。

自分が安心できる場所にいたり活動をしたりしているときは安定していますが、そこに他者が侵入してきてやりたいことを止められたり、無理やり外に出されそうになったりすると、激しい攻撃をすることもあります。