「成功しすぎ」その固定観念が視界を曇らせている
しかし、その対応策は「Black Lives Matter」に比べると注目に欠け盛り上がりがない。
1966年にウイリアム・ピーターセンによって提唱されたのが「アジア系はモデルマイノリティ(マイノリティのお手本)」であるというものがあるが、これは堅実な家族構成、教育熱心、勤勉を尊ぶといった日系人の文化が戦後の差別を克服してアメリカで次第に成功する様子を描写したもので、アジア系のステレオタイプの原型と言われている。
実際にはこれは1965年以降の移民政策の変更により高度技能を持つアジア系が大量流入したことによることが大きいのであるが、この成功しすぎているというステレオタイプがアメリカでのアジア系の苦労を見えにくくしていると言われる。
おそらく双方にとって不利益なこの緊張状態を改善するためには、アジア系としてはこのステレオタイプ的知識を修正し、アメリカの持つ多様性というユニークな強みに貢献している集団であるとアピールする必要があるであろう。