いくら努力を重ねても、自分自身の強みや得意を把握していなければムダになってしまう。スポーツメンタルコーチの鈴木颯人氏は「潜在能力を100%引き出すためには、自分自身に4つの質問を問いかけてみるといい」という——。

※本稿は、鈴木颯人『潜在能力を100%発揮する方法』(KADOKAWA)を再編集したものです。

クエスチョンマークの積み木
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潜在能力を引き出すカギは「自分を正しく理解すること」

結果を出すアスリートの多くが、“強い思い込み”を持っています。それは裏を返せば、スポーツの世界では、強い思いがあってはじめて未来を切り拓けるということ。これはビジネスでも同じことが言えると思います。

かといって、誤った思い込みや世界観を持ってしまうと泥沼にはまり、余計な苦労をしてしまいます。その状態から脱するには、何よりもまず、自分を正しく理解すること。自分という人間をどう捉えているかで、行動や生き方は変わってきます。

心理学の世界的権威とされるキャロル・S・ドゥエック氏も、著書である『マインドセット「やればできる!」の研究』(今西康子訳、草思社)の中で、世界の捉え方によって、結果は大きく変わることを伝えています。

ある力士は、自分は突っ張りが得意だと思い込んでいました。突っ張りとは、平手で相手力士を突く技で、力士がよく用いる技です。

しかし、突っ張りを多用することで、相手にたやすくまわしを取られる場面が増えました。体格差のある力士が対戦相手のときや、パワー勝負の取組になれば負けないのですが、少しでも想定外のことが立合(取組開始の瞬間)で起きると、一転して劣勢に。体勢が前のめりになり、気合が空回りして勝てない取組が続きました。