今や「更年期」は企業が取り組むべきテーマ
wakarimiは高本さん自身の原体験から立ち上げた事業だったが、実は欧米では、女性の更年期のケアの必要性については、社会的な認知が広がりつつあり、企業や政府も力を入れて取り組んでいるという。
「女性の就労人口に占める更年期世代の比率が年々高まっているからです。特に、ジェンダーギャップが埋まって女性が活躍している国ほど、こうした取り組みに積極的です。イギリスでは10社に1社が、福利厚生として社員に更年期向けプログラムを提供していると言われます」
更年期の症状が出てくる40代は、会社でも責任あるマネジメントのポジションにつき始める時期だ。女性が、力を発揮しながら働き続けられる環境づくりを考えると、更年期のケアは避けて通れない。
「日本では、更年期世代の女性の2割ぐらいは更年期障害が原因で退職するというデータもあります。wakarimiも今後は、直接カップルに利用してもらう(BtoC)だけでなく、企業に福利厚生として導入してもらい、研修とセットで社員に提供してもらう(BtoBtoC)といったやり方にも力を入れるつもりです」
日本では、家庭でも職場でも、まだまだ女性の生理や更年期にともなう不調の理解は進んでいるとはいえない。高本さんは、「少しでも女性の『しんどさ』について理解が広がり、つらい思いをする女性が少なくなれば」と話している。
(構成=池田 純子)