TwitterなどのSNSは「悪口ばかりが並んでいる」と言われる。それは本当だろうか。HONZ代表の成毛眞さんは「悪口を好む人たちは声が大きい。そのため、まるで彼らが世の中の多数派であるかのように見えてしまうが、じつは違う」という――。

※本稿は、成毛眞『バズる書き方 書く力が、人もお金も引き寄せる』(SB新書)の一部を再編集したものです。

人の形が書かれたカラフルなブロックとスマートフォン
写真=iStock.com/takasuu
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「ターゲット層に届かない」はなぜ起こるのか

ただ何となくと書きたいことを書いて発信しても、肝心の読者がおもしろがってくれなければバズることはない。そこはやはりマーケティングの発想も必要だ。

まず考えるべきは、誰に向かって書いているのか。要するにターゲットを定めるということだが、これだけでは不十分である。あるターゲットに向けて書いたつもりが、まったくそのターゲットに刺さる内容でなかったとしたらバズるはずがないからだ。

では、定めたターゲットに確実に届くようにするにはどうするか。企業の広告戦略が参考になる。

ここで少し想像してみてほしい。

あなたが50代の男性だとして、紳士服店で「これは50代向けに作られた洋服なので、おすすめです」と言われたら「欲しい」と思うだろうか。あるいは、あなたが40代の女性だとして、「この口紅は40代女性の間で大ヒットしてます」と言われて、「いいな、自分も同じ色をつけたい!」と思うだろうか。

SNS投稿は「想定読者のマイナス10歳」に向けて書く

老若男女、たとえ何歳であれおそらくそのように思う人は少ないだろう。「年寄り扱いするな」と実年齢にあらがうチョイスをしたくなるはずだ。

年端も行かない子供には「早く大人になりたい」という願望があるものだが、実際に大人になるにしたがって、人は「少しでも若いと感じたい」「少しでも若く見られたい」という願望を抱くようになる。

実年齢が50代だったら40代向けの洋服をすすめられたいし、実年齢が40代だったら30代の間で流行している色をつけたいのだ。

この心理をSNSの投稿に当てはめると、「ターゲットの−10歳」を意識して書けばいいということになる。50代の人たちに届けたいのなら40代向けを意識して書く。40代の人たちに届けたいのなら、30代向けを意識して書く。それくらいでちょうどいい。

POINT
・投稿をバズらせるためにはターゲットを明確にすること。
・想定読者にピンポイントで刺そうとしてもうまくいかない。
・ターゲットの「−10歳」を意識してはじめて、狙ったターゲットに届く。