お笑いコンビ「アンジャッシュ」の渡部建さんの謝罪会見が物議をかもしている。元テレビ朝日プロデューサーの鎮目博道氏は「芸能レポーターたちは『会見を開いていないのに番組収録に参加したとすれば順序が違う』と責めたが、おかしな理屈だ。収録が事実だとすれば、カットせずに放送したほうがいい」という——。
自身が起こした女性問題について記者会見するお笑いコンビ「アンジャッシュ」の渡部建さん=2020年12月3日、東京都新宿区
写真=時事通信フォト
自身が起こした女性問題について記者会見するお笑いコンビ「アンジャッシュ」の渡部建さん=2020年12月3日、東京都新宿区

異様に映った芸能レポーターたちの執拗な質問

12月3日午後7時から100分にわたって行われた「アンジャッシュ」渡部建さんの謝罪会見。賛否両論さまざまな意見が飛び交っているが、私は一番印象深かったのは「Twitterと芸能マスコミの温度の差」だったのではないかと思う。

そこから見えてきたのは、「芸能マスコミ」そして「テレビ業界」がいかに一般社会から乖離かいりしているかということであり、そうした業界のあり方に対する世間からの警鐘だったのではないだろうか。

通常なら批判的な意見が多く発信され、特にスキャンダルを起こした芸能人に厳しいTwitterの住民たちは、今回の会見の件については当初から渡部さんに同情的だった。それは100分間にわたる会見を見ていた一般社会の「普通の人」たちの目に、いかにあの会見における芸能レポーターたちの執拗な質問の仕方が異様に映ったかということを現していると思う。そもそも渡部さんの不倫問題が発覚してから会見が行われるまでの間は、Twitterもほぼ渡部さんに批判的な意見一色であったことを考えれば、それは明らかだ。

渡部さんの行為自体については不快に感じていたTwitter民たちも、その行為を会見の場で責め立てる芸能マスコミのやり方については、「弱い者いじめだ」「あそこまでやる必要はあるのか」「レポーターたちは何様なのか」という正義感に駆られるほど、あの会見に「これはおかしい」と感じたということで、だからこそTwitterは渡部さんに対する同情論であふれたのだ。