保険料負担が増える可能性がある3つの社会保険

会社員が加入する社会保険には、健康保険、介護保険(40歳以上)、厚生年金、雇用保険、労災保険があります。このうち、労災保険以外の保険料は、労使で負担することになっており、本人が負担する保険料は給与から天引きされています。

社会保険のうち、雇用保険は本業、副業での重複加入ができないため、一般的には給与が多い方の企業でのみ、加入します。労災保険は両企業で加入しますが、保険料は全額事業主負担です。

したがって、副業をすることで本人の保険料負担が増える可能性があるのは、厚生年金と健康保険、介護保険、ということになります。

年金帳簿をチェックする女性
写真=iStock.com/takasuu
※写真はイメージです

加入手続きをしないと罰則も

社会保険加入対象に該当する場合には、自身で加入の手続きを行う必要があります。

具体的には、本業の会社を管轄する年金事務所に「健康保険・厚生年金保険 被保険者所属選択・二以上事業所勤務届」を提出します。提出しないと罰則がありますので、気を付けましょう。用紙は日本年金機構のウェブサイトからダウンロードでき、電子申請、郵送、窓口への持参が可能です。

届け出をすると、年金事務所で本業と副業の給与を合算して社会保険料が計算されます。社会保険料は事業主と本人の折半で負担しており、本人負担分は給与などから天引きされていますが、副業をした場合の社会保険料は、本業の事業主と、副業先の事業主で、会社ごとの報酬月額の比率で案分します。

例えば本業の会社の報酬が40万円、副業先が20万円の場合、報酬合計60万円に基づいて社会保険料が計算され、保険料の3分の2を本業の会社と本人の折半、3分の1が副業先と本人の折半、となります。

年金事務所からそれぞれの会社に社会保険料の額が連絡され、各社の毎月の給料から社会保険料が天引きされます。つまり、副業が社会保険加入対象となるアルバイトやパートでは、収入が増える分、社会保険料の負担が増加する、というわけです。

保険料負担が重くなるのはいや、と思うかもしれませんが、納める保険料が多ければ将来受け取る年金が多くなるなどのメリットもあります。