副業解禁で起きた大企業内プロ人材の大量放出

2020年10月、全日本空輸(以下、ANA)が従業員の副業範囲を広げ、他社との雇用契約を認める方針を明らかにしました。20年7月にはキリンホールディングスが副業を解禁しており、大企業が抱えていた人材が市場で急増しています。

客室乗務員
写真=iStock.com/maroke
※写真はイメージです

特に、企業の経営革新に資する人材は「プロフェッショナル人材(プロ人材)」と呼ばれています。企業でのマネジメント経験者やグローバルでの活躍実績のある人、技術者として開発リーダーを務めた人などが当てはまりますが、そうした人材は大企業の中に所属していることが多いため、副業解禁によって優秀な人材が市場に流れることが期待されています。

とはいえ、実際のところ、ANAのような大企業出身のプロ人材が大量に生まれたにもかかわらず、副業先がすぐには見つからないのが現状です。これは副業の探し方というものが世間に広まっていないということも要因です。

私は人材活用領域のプロとして、フリーランスや副業人材の企業とのマッチングを数多く行ってきた経験から、今回はCAを一つの例として、大企業出身者の副業の見つけ方をお伝えしたいと思います。

大企業出身者が選ぶ副業は「大企業」か「社会貢献」

大手企業に所属しながら副業する人には、2タイプの人がいます。一つは、副業先も大企業を選ぶ人、もう一つが社会貢献度の高い企業を選ぶ人です。後者はソーシャルベンチャー(社会貢献や社会的問題の解決を主な目的として起業したベンチャー企業やプロジェクト)にもよく目を向けます。

まず、大企業の副業活用をご紹介しましょう。今までは流れてこなかった人材が手に入るわけですから、動きの早い企業はすでにプロ人材の獲得に向けた手を打っています。

今年7月、ユニリーバ・ジャパンは、だれでも同社の副業・インターンシップに応募できる新プラットフォーム「WAAP」(Work from Anywhere & Anytime with Parallel careers)を設置しました。

また、ヤフージャパンは「ギグパートナー募集」と銘打ち、原則オンラインの業務委託契約で、組織や企業の垣根を超えた人材を募集しています。