不景気でも手取り収入を増やすにはどうすればいいか。節税に詳しい只野範男氏は「“節税は”誰でも簡単にできて確実に収入を増やせる方法だ。実際に私は1000万円超の節税を実現させた」という――。(第1回/全2回)

※本稿は、只野範男『完全版 無税入門 文庫版』(飛鳥新社)の一部を再編集したものです。

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これからサラリーマンの税金はどうなるか

この本では、安月給のサラリーマンでも1000万円超を節税できる方法が示されています。

困難な時代だからこそ、サラリーマンも節税するべきではないでしょうか。

コロナ時代という誰もが経験したことがない、不透明で危険な時代がいきなり襲来しました。皆が多くの課題に直面しています。いやが上にも、生き残り策を考えねばなりません。

とはいえ、未来は誰にも見通せないものです。大震災もコロナも予測することは不可能でした。そんな我々にできることは、今起こっている現実に目を向けることです。そうすれば、未来への行動指針が必ず見えてくるはずです。

今、眼前に迫るのは少子高齢化の問題です。出生率は過去最低の1.36(2019年)、65歳以上の高齢者は3617万人(2020年)。これは「深刻」というレベルをすでに超えています。

誰が3600万人の老人を背負っていくのか? 現役世代しかいません。65歳以上が全国民の約29%を占めるこの国は、増税なしでは必ず沈没します。菅首相は「消費増税は10年しない」と表明しましたが、サラリーマンの税にはいっさい触れていません。

これから、サラリーマンにはどんな時代が来るのか。政府が示す近未来図があります。コロナの渦中の2020年7月、政府は「骨太の方針2020」に「フェーズⅡの働き方改革」の指針を盛り込みました。

「骨太の方針」とは、政権が取り組むべき課題や、予算に反映させるための基本的指針のことです。

では、サラリーマンに関係するその中身とは何か。