新型コロナウイルスの感染拡大を機に、住宅ローンの滞納や返済方法についての相談が増えている。そのなかには、夫婦連名で借り入れを行う“ペアローン”を組んだために、想定外の破綻に追い込まれるケースもある。週刊SPA!編集部のリポートを紹介しよう――。
※本稿は、榊淳司『激震!「コロナと不動産」 価値が出るエリア、半額になる物件』(扶桑社新書)の一部を再編集したものです。
非正規雇用者が減ったことで“ある事象”が起こっている
新型コロナで停滞していた経済活動が元通りになるには、まだ時間がかかりそうだ。感染が拡大して以降、職を失ったままの人は今も少なくない。
2020年9月末に厚生労働省が発表した同月の有効求人倍率(季節調整値)は1.03倍で前月から0.01ポイント低下し、6年9カ月ぶりの低水準となった。一方、総務省が発表した同月の完全失業率も2カ月連続で3%を記録。新規求人(原数値)に至っては、前年同月比で17.3%減となっており、業界別では生活関連サービス・娯楽業(32.9%)や宿泊・飲食サービス業(32.2%減)、卸売業・小売業(28.3%減)、製造業(26.7%減)の減少幅が大きかった。どの業種も、コロナ禍での倒産や廃業が多かったことはすでに多くの方がご存じだろう。
さらに就業者数でも6カ月連続の減少となり、前年同月比で79万人減り、6689万人になったが、特に厳しい状況となっているのが、非正規雇用者を取り巻く環境だ。
9月の非正規雇用者数は前年同月比で123万人減となる2079万人にとどまり、7カ月連続での減少となっている。内訳では、パート・アルバイトの就業者数は61万人、契約社員は40万人それぞれ減少しているのだ。
こうした数値は、いったい何を物語っているのか。パートやアルバイト、契約社員の職が減ったことである事象が確認できるのだ。