「総合ロジスティックス企業」を目指すには
ウォルトが目指しているのは総合ロジスティックス企業だ。
「フードデリバリーはローカルサービスのゲートウェイという位置づけ。人は1日3回、食事をするのでビジネスの接触機会は多く、飲食店は地域で一定の経済規模を持っている。将来的にはあらゆる日用品を地域の小売店から30分以内で配達する総合ロジスティックス企業を目指したい。(アマゾンのような)大企業が大きな倉庫をもって配達するのではなく、ローカルのお店からすぐにお届けするサービスを確立する。『インターネットが全てを変えた』と言われる時代。『ウォルトが大きな影響を与えた』と言われる存在になりたい」
収束の見えない「コロナ禍」で、国内ではコンビニエンスストアから日用品を配送する「ネットコンビニ」の需要が高まりつつあり、すでにファミリーマートやローソンは、ウーバー・イーツと組んだ試験的な配送を一部の地域で始めた。
セブン&アイ・ホールディングスは物流会社を活用したグループの総合的な物流網の構築を急ぐ。百貨店から外食、スーパー、コンビニまで傘下企業の配送網を一括管理する仕組みで、すでに都内のセブン‐イレブン・ジャパンでは、ネット上で受けた注文を物流会社が店舗で受け取り、最短30分で届けるスピード宅配を行っている。
対するウォルトは、すでに大手コンビニエンスストア、スーパーマーケットなどと契約交渉を進めており、2021年上半期には日用品の配送サービスを始める計画だ。
コロナ禍で拡大するデリバリー需要をどこまで取り込むことができるのか。それが日本での成否を分けることになりそうだ。