最強のポートフォリオはA40~60%、B10~30%、C20~40%
僕のおすすめは、Aが40~60%、Bが10~30%、Cが20~40%という割合です。パフォーマンスを高める期待が持てるAに40~60%程度を投資し、危機備えてBに10~30%、そしてポートフォリオ全体のパフォーマンスを助ける可能性に期待して、Aと異なる値動きをしやすいCに20~40%を投資します。
この割合は、おもに30~60代の人たちを想定して僕が考えたものであり、あくまで目安です。10~30代など、年齢が若い場合はA60%、B10%、C30%など、積極的にパフォーマンスを追求するのもいいと思います。
年齢だけでなく、性格を考慮することも大切です。株価が気になって眠れない、イライラするなど、性格もリスク許容度に影響します。長期積み立てで投資した分については、毎日、値動きをチェックする必要はありません。長期で成果が出ればいいのですから、一時的に下がることがあってもあまりストレスを感じないでください。
しかし性格的に値動きが気になってしまうなど、お金についてのストレスが溜まりやすい人ならBを多めにしてもいいでしょう。お金のことが気になって眠れない、というのは、その人にとってリスクの取りすぎであり、もっと安定性重視の戦略が適しているかも知れません。下がる時もあるけれど時間が経てば戻る、という体験を積んでいけば、次第に積極的な割合にしていける可能性もあると思います。
「大切なのは、早く始めることです。金額ではありません」
割合はあくまで自己判断ですが、できるだけ謙虚に考えることが重要で、投資経験が豊富だから、センスがあるから、といった考えは避けた方がいいと思います。お金がたくさんあるから大丈夫と思うのも危険です。僕も過去に苦い経験をしましたが、自信過剰はよくないのです。
もうひとつ、守って欲しいルールがあります。それは、ひとつの商品への投資額は、資産全体の5~10%を上限とする、ということです。それ以上になると、多様化の効果が得にくくなり、ポートフォリオ全体のリスクが高くなってしまう可能性があります。投資できる資金が少ない場合は、どうしても1つの商品が占める割合が高くなってしまいますが、そうした場合も、ひとつの商品に集中的に投資しないよう、工夫するのが望ましいといえます。
大切なのは、早く始めることです。金額ではありません。
例えば1万円では、ETFを複数買うことは現実的に難しいと言えます。その場合は、1カ月目は株、2カ月目は国債、3カ月目はコモディティ、4カ月目は株、5カ月目は国債、6カ月目はコモディティなど、順番に買っていくのもいいでしょう。少しずつ、コレクションしていくように、ポートフォリオを作っていけばいいのです。そうして投資経験を積んでいけば、収入が増えるなどで投資できる額が増えた時に経験を活かすことができます。