※本稿は、高橋ダン『僕がウォール街で学んだ勝利の投資術』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。
12歳から投資を始め19歳からウォール街でバリバリ働いたプロが提案
ウォール街で学んだ投資における必勝戦略は、長期積み立て投資をベースとし、そこに短期投資を組み合わせることでパフォーマンスを上げるというものです。
長期積み立て投資はおもにリタイア後の資金や、住宅購入など、まとまったお金が必要な時のための資金づくりが目的です。したがって、長期積み立て投資で築いた資産を売却するのは、お金が必要になった時です。
アメリカ株式指数の例では、過去100年程度の間、年平均7~8%程度のパフォーマンスがありました。月1万円ずつ積み立て、年6%で運用すると、30年で1000万円程度の資産ができます。月5万5500円ずつ積み立て、年8%なら、10年で1000万円に届きます。
積み立て投資では買うときの価格が多様化されるというメリットがあります。投資で買うときのタイミングを選ぶのは簡単ではありませんし、そもそも、長期積み立てなら、その必要はありません。タイミングではなく、毎月買い続ける、ということこそが重要です。
長期積み立ての具体的なプランを考えていきましょう。まずはあなたの毎月の給与(あるいは収入)を3つに分けます。
1つ目は家賃や住宅ローンなどの住居費、2つ目は食費や光熱費、教育費医療費などの生活費、その他、交際費など楽しむためのお金、そして3つ目が投資に回すお金です。
毎月の給与から1つ目と2つ目の費用を抜いて残った金額の7~9割を長期積み立て投資に回し、3~1割を短期投資に回すのがおすすめです。
現金や預金は必ずしも安全な資産とは言い切れない
貯蓄はしなくていいのか、という疑問を持つかも知れません。病気などで収入が減ってしまったり、まとまった支出があったりした場合に備えるお金は銀行に入れて、それ以外のお金で投資を考える。それがみなさんの常識だったかも知れませんが、僕の考え方は少し異なります。
僕の考え方の特徴のひとつは、投資するお金の中に、「現金(預金)」も含めているということです。
現金や預金は必ずしも安全な資産とは言い切れず、現金で持っている、預金する、ということは、インフレにならないことにかけている投資、と言えます。
その意味において、僕は「現金(預金)」も長期積み立て投資のひとつに位置づけているのです。
「投資はリスクではない。投資をしないことがリスク」です。預金にもリスクがあります。株式などでは価格が下がるために見えやすいのですが、インフレリスクは実質的価値が減るものの額面の金額が減らないので、リスクが見えにくい、見えないリスクだと言えます。