ここまで見ると、やはり結婚に有利な高学歴男性。では女性は、男性の学歴だけを見るのか。もちろんそんなことはない。「年収」も外せないポイントだ。

「いまはいい大学を出た、大企業に入ったというだけで生涯年収を読むのはリスクが高すぎる時代だ」と、山田教授。

「年功序列・終身雇用が当たり前の頃は、学歴と勤務先(企業規模)が生涯年収の代理変数だった。だが先が読めないいま、学歴は必ずしも代理変数にはならない」

だから女性は学歴だけでなく「年収」にも注目する。高学歴だからといって、あぐらをかいていられない時代なのだ。

図を拡大
【図3】 女性が結婚相手に求める理想の年収と妥協の年収

調査では、意外なことが2つわかった。1つは、女性が結婚相手に求める「理想年収」が相変わらず高く、全体の約8割が「年収700万円以上」を希望している事実(図3)。現在、30代男性の平均年収は508万円、40代でも643万円(2006年 国税庁「民間給与実態統計調査」)。共働き夫婦も多い昨今、相手に年収700万円以上を求めるのは、いささか高望みの感もある。

だがここ数年、働く女性の間では「専業主婦願望」が高まっている、と結婚情報サービス・オーネットのアドバイザー、岸野芳子氏。なるほど、結婚後に仕事を辞める意識もあるから、夫になる男性により高収入を期待するわけだ。「ただし女性の多くは、結婚前に『専業主婦になりたい』とは言わない」(岸野氏)。それを口に出せば、結婚に不利に働くとわかっているのだろう。女性はしたたかだ。

では年収700万円以上の独身男性を見つけられない場合、いくらまでなら妥協できるのか。図3の通り、約8割の女性が「妥協しても500万円以上」と回答。どうやらこの「500万円」がボーダーラインになりそうだ。

「いつの時点の年収を見るかもポイント。高学歴でも『自営ホワイト(医者・弁護士など)』は年収アップまでに時間がかかる。本当に学歴が年収に反映されるのは、30代に入ってから」(山田教授)