たとえば、薬剤師の女性(38歳)と出会ったサラリーマンのAさん(36歳)。低学歴で年収は約600万円と彼女より明らかに「下」だったが、どんなに忙しくても毎日温かなメールを送り続けた。柔軟性があり、自分のことを話すより彼女の話を熱心に聞くことを忘れなかったという。結果、見事成婚に至った。
医大卒の美人女医(34歳)と成婚した工務店勤務(ガテン系)のBさん(36歳)も、無名大学卒。オーネット主催のパーティで彼女にひと目惚れし、すぐお茶に誘った。はじめは渋々応じていた彼女、でもBさんは仕事でどんなに疲れていても彼女を迎えに行き、素朴なプレゼントも欠かさなかった。「その気遣いが女性の心を射止めたようです」(岸野氏)。
一方、MARCH以上の学歴でも2割弱いる「低年収層」は注意が必要だ。
大手通信系企業の研究所に勤めるCさん(32歳)も、危険信号が灯る1人。有名国立大(都内)の大学院を出て、27歳でいまの会社に就職。現在の年収は500万円台と、高学歴のわりに低年収だ。「入社前から『研究職は30代に入らないと年収が上がらない』と聞いていた」とCさん。先輩の例を見ると、あと2年すれば年収は跳ね上がる。最低でも750万円前後。だがCさんは「それまでもつか」とため息をつく。最近、出張やサービス残業で疲れがとれない。医者から「もっと寝ないと」と脅されたこともあって、こう言う。「この先、多少年収が落ちても、転職を選ぶかもしれない。派遣(社員)も視野に入れて、なんとなく転職サイトをチェックしている」。
2年前、学生時代から付き合っていた彼女(31歳)に「結婚する気があるのかないのか、ハッキリしてほしい」と迫られ、自分から別れを告げた。「仕事がまだ安定しないのに、結婚だなんて。やたらと焦る彼女を見て、付き合い自体がバカらしくなった」とCさん。
いまも結婚に焦りはない。勤務先の研究所は男性比率が高く、いわゆる「女環境」が少ない。恋人がいない男性社員も多いから、と余裕を見せる。「40歳までには結婚したいが、忙しいし自分から動くほどではない。出会いは偶然の産物、これまでもずっとそうだった」と笑う。