仕事前に最適な“軽い運動”
「運動したいけど面倒。だから起きれない」なんて声も聞こえてきそうなものですが、脳は体の状態や動きから自分のことを判断します。体から「楽しい」という信号が脳に送られてくると、脳は「自分は楽しい。元気なんだ」と判断します。つまり、元気になる行動をすれば、心は元気になるのです。ある意味、脳を騙すのです。
心理学や脳科学でも、思考と行動では、行動のほうが先にくるということが定説となっているほどです。朝起きて少しでも体を動かせば、おのずと気持ちが向上してくるのです。
山口大学の佐々木と塩田が行った実験では、被験者にまずラジオ体操をしてもらい、続いてボールのドリブルやジョギングをさせて、心拍数を120~140拍/分に高め、その後、計算をしてもらいました。
すると、解答数と正答数が向上したというのです。つまり、運動してから作業をしたほうが、頭がよく働いている状態で作業できるということがわかったのです。まさに、仕事前にはもってこいのアクションではないでしょうか。
対ストレスの最強モーニングルーティン
また、運動して一汗かいたらお風呂に入るのも効果的です。千葉大学のリーらの研究では、10分間ほど、摂氏40度のお風呂に入ったり、シャワーを浴びたり、ミストサウナに入ってもらい、入浴後に課題をさせるという実験を、朝7時から数時間ごとに行いました。
すると、体の疲労回復にはお風呂やミストサウナがシャワーよりも効果的だということがわかりました。
また、課題の正答数については、午前10時ころからのお風呂とシャワーの場合に高くなることもわかりました。そして、お風呂やミストサウナは注意力や判断力を高める効果も期待できることが判明しました。
ちなみに、東京ガス都市生活研究所の研究報告によると、朝、シャワーを1分間浴びるだけで体臭が減り、しかも夕方まで効果があるということですから、元気も出て、清潔になって、一石二鳥。ぜひ、朝にお風呂に入る習慣を身につけてみましょう。
朝起きた後に、ラジオ体操をして、軽いジョギングなどの運動をする。その後、40℃のお風呂に10分間ほど入れば、心身ともにすっきり。対ストレスの最強モーニングルーティンの完成というわけです。
平穏な一日を過ごすためのアンガーマネージメント
② 昼のストレス対策
これで仕事もバリバリがんばれる! と思いきや、一日を平穏にストレスなく過ごすことは、やっぱり難しいですよね。私も、午前中は機嫌良く過ごすことができたのに、とある人に言われた一言でイライラが募り、午後は不機嫌……なんてことが少なくありません。
腹の立つことを言われようものなら、怒りが湧いてきて、ドラマや漫画で描かれているように、思わず拳をギュッと握ってしまうこともあります。