共和党が追及するバイデン父子の「ウクライナ・ゲート」
このブリスマ社は脱税や資金洗浄の疑いがあり、ウクライナ検察当局が同社とオーナーのズロチェフスキー氏を捜査していた。在ウクライナ米大使館も徹底捜査を求めており、米政府内には、ハンター氏が札付き企業の役員を務めることに批判の声があったという。
しかし、バイデン副大統領は2015年、ポロシェンコ大統領に対し、同社を捜査していたショーキン検事総長の解任を要求した。解任しないなら、ウクライナへの10億ドルの融資を撤回すると警告していた。
これに応じる形で、ポロシェンコ大統領は検事総長の解任を決めた。議会も承認し、米国の融資は実行された。検事総長は解任後、バイデン副大統領が圧力をかけてきたとメディアで告発した。
大統領選に向けてバイデン氏の疑惑に目を付けたトランプ大統領は2019年7月、ウクライナのゼレンスキー大統領との電話会談で、バイデン父子を捜査するよう要請し、捜査しなければ軍事援助を凍結すると警告した。
この「ウクライナ・ゲート」事件では、民主党が多数派の下院で大統領弾劾が決議されたが、共和党が多数派の上院は無罪評決を下している。
ただし、バイデン父子の「ウクライナ・ゲート」はまだ解明されていない。疑惑をめぐっては、ロシア発のフェイクニュースも乱れ飛ぶが、共和党側が追及するのは必至で、今後、新たな火ダネになりかねない。