特別公開、勉強法3  間違いノートと付箋で弱点克服

自分の苦手な問題を記録しておく「間違いノート」はとても大事だと思っています。

上田さんが実際に使っていた「間違いノート」。習得したいポイントだけに絞ってシンプルに書いていた。授業のノートもきちんと書くようにしており「塾のノートは後で見直せるように特にきれいに書いていました」。
撮影=干川修
上田さんが実際に使っていた「間違いノート」。習得したいポイントだけに絞ってシンプルに書いていた。授業のノートもきちんと書くようにしており「塾のノートは後で見直せるように特にきれいに書いていました」。

問題を解いて採点していると、「以前も似たような問題でつまずいたな」と気づくことがよくあります。こうしたことを無くすため、間違えた問題を、私は必ずノートに書きとめておきました。

大事なポイントは赤シートで隠せるようにオレンジ色のペンで書き、後から見返すときに覚えているかチェックしやすくしました。基本的には、シャーペンとオレンジのペンの2色を使い、絶対覚えたい部分は目立たせるためピンクを使っていました。

さらにいますぐ覚えたいことは、付箋を活用しました。付箋に克服したい事項を書いて、勉強机の前の壁に貼っておきました。おすすめは、内容によって長さを調節できる、裏全体が粘着面で剥がれにくいテープタイプの付箋です。

付箋を貼る際はあえて向きをバラバラにするのがポイントです。きれいに整列させて貼ると目に入らなくなりますが、右斜めに貼ったり、左斜めに貼ったり、ランダムにすると目に入りやすいからです。

入試本番には、付箋をルーズリーフに貼りかえれば試験会場にも持っていけるので、重要ポイントの見直しにも使えます。

細めのペンを使ってテープ型の付箋に要点を整理。ルーズリーフに貼りかえれば持ち歩きしやすい。
撮影=干川修
細めのペンを使ってテープ型の付箋に要点を整理。ルーズリーフに貼りかえれば持ち歩きしやすい。

特別公開、勉強法4  数学は“単元”を意識して解く

医学部受験では数学で苦しむ人が多いので、数学の勉強のコツについてもお伝えしたいと思います。

入試問題は発展的な問題ばかりとはいえ、元をたどれば、教科書レベルの基礎的な問題の積み重ねで作られています。どんなに難しくても、これまで自分が解いたことのある問題と関連する部分が必ずあり、そういう問題がいくつか組み合わさっています。

数学は暗記科目ではありませんが、得点力アップのカギは、初めて見る問題に対して、自分が知っている解き方の中から使えそうなものを「思い出せるかどうか」です。

では、どうやって思い出すかですが、まずは問題文をよく読み、教科書準拠の『4STEP』や「青チャート」などの標準的な問題集の中から、どの単元のどんな問題に似ているかを思い浮かべてみるといいでしょう。

どれもピンとこないときは、その問題集の中で近そうな問題や使えそうなアプローチを探したり、学校や塾の先生に聞いてみたりしてもいいでしょう。

私は高2のテキストを勉強する際には、高1のテキストの同じ単元を見返すようにしていました。高2で扱う問題は、高1のテキストの中にあるどの問題とどの問題が組み合わさってできているかを意識すると、理解が一段と深まりました。

医学部入試の数学は、大学によっては素早い処理能力が重視される場合もあるため、「量」をがむしゃらにこなしたくなる気持ちもわかります。でも、時間をかけて、どの問題とどの問題を掛け合わせれば解ける問題なのかを考えながら解くと、その思考の過程は、その問題だけでなく別の問題を解く際の考え方にもつながり、1問から多くのことを学べます。