②家庭で植物を育ててみる

植物や野菜の種を植えて、家庭で育てることもお薦めです。

毎日水をあげると、小さな種がやがて芽を出して成長し、葉っぱをつけ、花が咲き、そして実をつけるという成長のプロセスを経験することができます。

野菜であれば、なった実を収穫し、実際に食べることもできます。

イキモノが好奇心を育てるのによい点は、その場で動くというだけでなく、時間をかけて成長するという点にあります。

我が家では植木鉢でミニトマトやピーマンを育てています。

昆虫は父親が担当ですが、ミニ菜園は母親やおばあちゃんが子どもたちと一緒に育てています。植物や野菜を育てることも、好奇心を長く継続させ「成長と育成」を学ぶことのできるいい実践方法です。

もちろん、性別に関係なく子ども自身が好奇心をもったものに、時間をかけてトライできるように促し、見守ることが一番です。

③イキモノノートをかく

私の息子はよく捕まえたイキモノの特徴と絵をノートに書き記しています。

初めは絵もさほど上手ではないし、虫の名前と種類くらいでしたが、段々と細部まで観察してリアリティある絵が描けるようになったり、特徴もマニアックな内容を書き記すようになりました。文章や絵を書くアウトプット力だけでなく、好奇心をエンジンにしながら物事への「観察力」を磨く楽しい実践になっています。

この「イキモノノート」は我が家の息子だけでなく、世界の経営学の大家も実践していたトレーニングです。

世界的なベストセラービジネス書で『ビジョナリー・カンパニー』という本があります。この本の著者であるジム・コリンズは、少年時代、大の虫好きでした。

よく虫を捕まえ、瓶に入れ、何日間も観察し、虫の行動、食べたもの、動きを実験ノートに一つ残らず記録していたといいます。

大人になると、彼はヒューレット・パッカードに就職しましたが、世界的な大企業での仕事でも心からの満足は得られませんでした。

そこで、少年時代によくやった、虫を観察して実験ノートに書き留めるという方法を、今度は自分自身に応用させました。

実験ノートのタイトルに自分の名前をつけて「ジム虫」と書き、それから1年以上、自分自身の行動や仕事ぶりを細かく観察しました。

まるで、少年時代に虫の行動を観察したように。そうして、1年以上、実験ノートをつけ続けると、あるパターンが浮かび上がりました。