いまの日本の教育に最も足りないものは何か。教育イノベーターの本山勝寛氏は「好奇心を育てることだ。そのためには、習いごとをさせるより、自然に触れる時間を増やすのがいい」という——。

※本稿は、本山勝寛『自力でできる子になる好奇心を伸ばす子育て』(大和書房)の一部を再編集したものです。

虫網でトンボを捕まえようとする少女
写真=iStock.com/Hakase_
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「非日常の刺激」が子どもの好奇心を呼び覚ます

私は、ハーバードで世界の教育を研究し、また5児の父として子育てを実践するなかで、いまの日本の教育や育児で最も足りないのは、「好奇心を育てること」だと痛感してきました。

そして、大きく時代が変化していくなかで、これから最も求められる力も「好奇心」だといえます。なぜなら、変化のスピードが速い時代において、必要な知識がすぐにアップデートされるため、今どれだけ知識を蓄えているかよりも、たえず学び続ける姿勢こそが、時代の変化を生き抜くために必要だからです。

学び続けるためのエンジンとなるのが、まさに好奇心です。

好奇心は新しい時代における重要な力であるという観点から、「CQ=Curiosity Quotient =好奇心指数」として注目される動きが、海外の学界やビジネス界でも起きてきているのです。

そして、子どもの好奇心を育てる秘訣の1つが「自然」と触れ合うことです。

子どもと自然豊かな場所に行ったことがある人であれば、誰もが感じていることだと思いますが、子どもたちは自然のなかに行くと、目をキラキラ輝かせながらいきいきと全身を動かして遊ぶでしょう。

それは自然のなかに飛び込むと、家や学校、幼稚園・保育園といった屋内での日常生活では得られないような「非日常の刺激」がたくさんあり、子どもの好奇心を呼び覚ますからです。