“しこり”を残した公明党=創価学会
今回の住民投票で「常勝関西」と呼ばれる大阪の創価学会は本来の力を発揮できなかった。
最終盤になって「公明党の意見を良く聞いて必ず投票に行って下さい。」というメッセージとともに山口代表の動画を送ったことや、公明党大阪本部のピリピリした雰囲気など、公明党=創価学会の上層部は都構想実現のために奔走していたに違いない。
しかし、世界青年部総会と財務という2大イベントの影響で準備期間が十分に取れなかったことや、コロナ禍という創価学会にとっても未経験の状況のせいでいつも通りの政治活動ができなかったことなど、現場には都構想賛成に向けて普段通りの政治活動を行う余裕はなかった。
そして、建前は自主投票、実際には賛成という中途半端な状況が、支持者の決まっている選挙しか経験したことのない創価学会員に混乱を広げた。その混乱は、時間をかけて築いてきた「○外さん」を失うという形でダメージを残した恐れがある。
11月14日に公明党大阪本部代表を辞任した佐藤茂樹氏は、都構想の否決の受けて開かれた記者会見において「賛成票を投じた人も、反対票を投じた人も、これから大事なのは“しこり”を残さないようにすること」と発言した。この発言は、今回の混乱によってしこりが生まれたことを認めたとも受け取れる。