運転手が直伝! 賢いバスの利用法

稲毛達也氏はJRバス関東のドライバーだ。入社して10年目。毎日毎晩、元気に大型バスを走らせている。稲毛氏には利用状況よりも、むしろ深夜バスの賢い使い方を聞いた。

まずは稲毛氏の勤務について。

「シフトは基本的には5日乗って、2日休みです。といっても5日間、朝から晩までハンドルを握っているわけではありません。当然、寝ている時間や休憩もあります。一般の方があまりご存じないのはドライバーが途中で交替することでしょう。例えば東京―大阪間でしたら、ドライバーは静岡の三ヶ日インターで替わります。ですから、乗車するときと降りるときではドライバーは別の人間になる。ときどき、えっ、運転していたのはこんな人だったっけとびっくりされる方もいらっしゃいます」

稲毛さんによれば「バスの設備はますますよくなっている」とのこと。06年、JRバス関東は「プレミアムドリーム号」(東京―大阪間)を導入した。2階席は3列の座席だが、1階席(プレミアムシート)はわずか4席しかない。そこは飛行機のビジネスクラス並みにゆったりとしたつくりになっており、液晶テレビも付いている。それでいて料金は新幹線よりも安い。もっともプレミアムシートは発売開始の乗車1カ月前にはすぐに売り切れてしまう。プレミアムシートを買うことができれば出張も快適だ。

では、バスの賢い使い方にはどういったものがあるのか。

「空気で膨らむ枕を持参されたり、スリッパを持って乗ってこられる方がいます。ただ、スリッパはプレミアムドリーム号でしたら、席に備えつけてあります。また、風邪が流行っている時期はみなさんマスクを用意しています。食べ物やお酒を持ってくる人は多くありません。やっぱり、少しでも眠りたいのでしょう」

稲毛氏から聞いたお得な情報がひとつある。大阪から東京に向かう深夜バスが首都高速の大幅な渋滞にぶつかるケースがある。そんな場合、バスは東京に入る手前の東名江田インターのバス停で1時停車する。都心へ出るのに急ぐ人はそこで下車して、近くの東急田園都市線あざみ野駅へ出ればいい。同じように大阪行きの深夜バスで渋滞に遭ったら、千里ニュータウンバス停で降りることも可能だ。

(増田安寿=撮影)
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