相手に大切にされたければまずは話を聞く

どんな人間も、これを欲します。自己重要感を満たしてくれる相手のことは、必ず好きになり、大切にします。つまり、相手の自己重要感を満たせば、相手から尊重されるのです。この関係性を増やしていけば、「皆から大切にされる人」になれます。

西脇俊二『繊細な人が快適に暮らすための習慣』(KADOKAWA)
西脇俊二『繊細な人が快適に暮らすための習慣』(KADOKAWA)

では、具体的にどのように接すればよいかというと、第一歩は、誰もが昔から実践しているものだと思います。「相手の話を聞く」というコミュニケーションです。

相手の言葉をさえぎらず、否定せず、考えを押し付けず、共感を込めて聞く。すでにおなじみの習慣だと思います。

しかしこれ以降は、分析ベースならではの視点が必要となってきます。この人は何をすれば、尊重されていると感じるのか。どんなところをどんな言葉でほめれば喜ぶのか。

相手を一人ひとり観察・分析して、ポイントを見極めなくてはいけません。

相手が求めているものを提供するのも「立派な思いやり」

相手を気遣う人、思いやり深い人ほど、こうした分析的なアプローチを「相手を操作しているようで嫌だ」と感じるかもしれません。しかし、相手が求めているものを把握し、それに沿うことも立派な思いやりです。

しかも、分析的なアプローチをすると、「合うか合わないか」「好きか苦手か」といった感性の部分で向き合うよりも、誰に対しても行き届いたコミュニケーションができます。

その結果として相手がこちらを信頼してくれたら、相手が自身の良いところを前面に出して接してくれるようになります。つまり、苦手だと思っていた人でさえ、感じの良い人に変わるのです。そうすれば、こちらも相手を好きになれます。

「人に振り回されて疲れる気遣い」で消耗している人ほど、「距離が縮まって嬉しい気遣い」を始めることが必要なのです。

詳しく方法を説明しましょう。分析の目安として役立てていただきたいのが、「人間の3タイプ」です。

人の個性は、パーソナリティ重視タイプ・パフォーマンス重視タイプ・ブランド重視タイプの3種類に分けることができます。

この3通りの人々は、価値観が大きく違います。何を喜び、何を望み、何を言えば心を開くかも三者三様。じっくり見極めて、適切なコミュニケーションをとりましょう。