目標を達成できないリーダーにはどんな問題があるのか。「リピート率9割」の営業研修トレーナーである伊庭正康氏は「メンバーのやるべきことを絞れていないことが多い。アレもこれもとやることを増やすのではなく、目標達成に影響しないことを見切ることが重要だ」という――。
※本稿は、伊庭正康『目標達成するリーダーが絶対やらないチームの動かし方』(日本実業出版社)の一部を再編集したものです。
「やったか、やっていないか」だけを問題にしてはいけない
営業研修の講師をしていると、こんな声をよく聞きます。
「サボっているわけでもないし、一生懸命にやっている。でも、達成は厳しい」と。
頑張っているのに結果が出ていないときこそ大事なチェックポイントがあります。それは、「サボっているかどうか」の確認ではなく、「設計図どおりに実行」しているかどうかです。
ある例を紹介しましょう。その会社は、事務機器の販売を行っており、電話でアポイントをとって、商談をし、契約を獲得するという営業モデルで仕事を回していました。その会社の各メンバーの月間の新規契約目標は3件。アポイントメントのためにどのくらい電話をかけているかというと、1日45件の新規開拓の電話をしているといいます。
上司から「1日40~50件の電話をするように」という指示を各メンバーは受けており、そのとおりにやっているのに、目標を達成できていないわけです。そこで、状況を調べてみました。