オンライン会議では細かい音の聞き分けが対面よりも難しくなる。元NHKキャスターで話し方教室を運営している野村絵理奈氏は、「脱落音と呼ばれる、発音できていない音があると聞き間違いをされやすい。英語の発音のように、正しい口の形や舌の位置、唇の動かし方などを意識するといい」という——。

※本稿は、野村絵理奈『オンラインで伝える力』(ポプラ社)の一部を再編集したものです。

ウェブ会議で同僚と話すビジネスマン
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日本語の発音があいまいになっていないか

オンラインでは細かい音の聞き分けが対面よりも難しくなるため、どうしても聞き間違いが増えます。例えば、「1」(ichi)と言ったつもりが相手には「7」(shichi)に聞こえたり、「100」(hyaku)を「約」(yaku)だと勘違いされるなど、似た音であれば聞き間違いが生じるリスクはさらに高まります。

ちなみに、対面であってもマスクを着用していたりする場合は同じようなことがおこりやすくなります。何度も聞き返されてしまうと、時間のロスになるだけでなく、聞き返すほうにもストレスを感じさせるので、明瞭に発音できるように改善しましょう。

大切なのは、音を一音一音、正確に伝えることです。

日本語を構成する五十音は、それぞれに特徴があります。母音を作る口の開け方、舌の位置や動き、唇の形や動き、息の使い方まで、さまざまな個性があるのです。にもかかわらず、音の特徴を理解しながら発音している人はほとんどいないでしょう。

英語の発音を学ぶときには、正しい口の形や舌の位置、唇の動かし方などを学ぶことから始めますが、日本語でそれを学ぶ機会はほとんどありません。

その結果、日本人であっても、日本語の発音があいまいになり、オンライン上などでは特に聞き取りにくい発音になる原因になっています。