どんな「ほめ方」をすれば、相手は喜んでくれるのか。ほめ育グループ代表の原邦雄氏は「結果をほめるだけではなく、『あなたのことを信頼している』『もっと知りたい、仲良くなりたい』と好意を示すことが大切です」という。20~100点の4つの「ほめ方」を紹介しよう——。

※本稿は、原邦雄『100点のほめ方』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の一部を再編集したものです。

黒板の前でたくさんのサムズアップ
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相手の心に響く、記憶に残る「100点のほめ方」の具体例

人は、10のアドバイスをされるよりも、たった1つの「ほめ言葉」をもらった方が変わります。では、どんな「ほめ方」をすれば、相手は喜んでくれるのでしょうか?

「なんかステキ、かわいい」
「今日もスーツ決まっているね」
「いい契約が結べたな」

相手の見た目をほめたり、結果をほめたりすることも、立派な「ほめ方」です。

しかし、パッと目に入った印象やわかりやすい結果をほめるだけでは、瞬間的な効果しか得られません。そこで、うわべだけだったり相手をコントロールしたりするようなほめ方ではなく、心に響く、記憶にしっかり残る「ほめ方」をご紹介します。

「ほめる」ことは、「あなたのことを信頼している」「あなたの良いところをもっと知りたい、仲良くなりたい」と好意を示すことです。

単に「見た目」や「結果」をほめるだけではなく、「その人のあり方」や「頑張ったこと・過程」をほめることを意識してみてほしいのです。

「ほめ方」の技術がギュッと凝縮されている

そこで、こんなほめ言葉はいかがでしょうか?

「いい契約が結べたな。相手のニーズをここまで引き出すとは、思っていなかったよ。影で努力していた姿を見ていたし、いつか結果は出ると思っていた。何度も企画を出して、あきらめない姿を見ていると頼もしかったよ。いままで多くの営業マンが跳ね返されてきたクライアントだったが、本当によくやった。これからも期待しているよ。わたしも勇気をもらった、ありがとう。その“誠実さ”は、持って生まれたように感じていたし、ご両親の育て方が良かったんだと思う。そして学生時代のクラブで良い恩師や仲間に恵まれたんだろうな。粘り強くやり切った、本当によくやった」

このほめ方には、「100点のほめ方」の技術がギュッと凝縮されています。

「そんな長いほめ台詞をいきなり言うなんて無理だよ……」と思われる方もいるかもしれませんが、大丈夫です。

「100点のほめ方」は、誰でも身につけることのできるシンプルな技術だからです。