原則②「5%社員」の87%が「弱み」を見せる

■「学ぶ」姿勢を失わない

「5%社員」は、仕事に関する知識を十分保有しており、しっかり考えて動くことができます。しかし、知識があるからといって、それをひけらかしたり、そうでない人を下に見たりということを決してしません。

「5%社員」は、「自分にわからないことがある」「まだ学べていないことがある」という前提に立っています。そのため、常に他者から自分にはない知見を獲得しようとしています。

■関係構築する際に「弱み」を見せる

「5%社員」は自分の弱い部分を見せることを厭わず、決して強い部分によるマウンティングをしません。

調査をしていて印象的だったのは、「5%社員」は、はじめての人と関係構築をするときに、カジュアルな雑談から入り、その中で相手との距離感を縮めたうえで、相手と関係構築をするとなったときに「自分の弱み」をまずさらけ出していたことです。

アンケート調査でも、「5%社員」は73%が「自分の弱みを出すことに抵抗がない」と答えています。一方、「一般95%社員」の中で「自分の弱みをさらけ出すことに抵抗がない」と答えたのは23%しかいませんでした。

原則③「5%社員」の85%が「挑戦」を「実験」と捉える

■自発的に行動し、その量が多い

「5%社員」は、自発的に行動して、結果として自分の活躍できるフィールドを見つけます。天性の能力や運を否定はしません。しかし、成果を出し続けてトップ5%の評価を得る人材は、共通して行動の量と頻度が多いことが特徴的です。

「一般95%社員」よりも「5%社員」のほうが、会話やチャットで接する人数が多く、会議での発言頻度は一般社員より32%多く、社内での移動距離も22%長い傾向にありました。

一方、評価がよくない社員の口癖は、「どうせ」や「だけど」です。「だけど今は忙しくて手をつけられない」や「どうせ失敗してしまうから、やっても意味がない」と言って新たな挑戦を避けていきます。彼らは失敗することが怖くて、自分たちの可能性を閉ざし、思考を停止させてしまうのです。

■「5%社員」は横の広がり、「一般95%社員」は専門性を追求

以前は「T字型人材」がもてはやされました。専門分野の深い知識をもつ「I型人材(スペシャリスト)」に、ほかの分野に対しても幅広い知識と知見をもつという意味の横棒「─」をプラスした人材のことです。

今回の調査では「5%社員」は横の広がり、つまり自分にはない経験やスキルを身に付けようとする人が69%いることがわかりました。これに対し、一般社員ではI型のスペシャリストを目指す人が63%いました。

「5%社員」は、変化の激しい中で対応力を高めていくには、1つのスキルや技術に固執することなく、より多様な能力を身に付けていったほうが市場価値が高まると考えています。