「その他95%」でも再現可能な「上位5%人材の5つの習慣」

突出した成果を出した「5%社員」は、しばしば「できるやつ」と特別扱いされるかもしれません。「5%社員」は別の部門に異動しても成果を出しています。まったく別の業種に転職しても成果を出し続けるでしょう。

また、調査を通して浮かび上がってきた「5%社員」が実践する行動習慣は、その後、29社で実証実験を行い、「5%社員」以外の一般社員でも取り入れれば効果が出ることを確かめました。

つまり、彼らが会得しているビジネスのコツは、「他の一般社員においても再現できる可能性が十分にある」といえるのです。

ビジネスマンが成功と失敗の矢印の前
写真=iStock.com/ra2studio
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詳しくは上掲書にあたっていただくとして、本稿では、調査を通して明らかになった「5%社員の5つの行動原則」を簡単に紹介します。「一般95%社員」との対比は、納得感のあるところと思います。では、あなた自身の行動習慣との比較ではどうでしょう?

原則①「5%社員」の98%が「目的」のことだけを考える

■課程よりも結果を重視する

「5%社員」には高い頻度で出現する言葉があることがわかりました。それは「結果」「目標」。そして、「達成する」「成し遂げる」「認められる」。彼らはこうした言葉を、一般社員の3倍以上の頻度で使用していました。

■時間を大切にする

「5%社員」は、時間をとても大切にします。時計を見る時間は一般社員よりも1.7倍も多く会議では期限や時間に関して2.3倍以上の発言をします。

彼らが大切にしているのは「達成感」です。より大きな達成感を得るためには、より大きな目標が必要です。この目標を自分で設定して、最短距離で達成しようとします。

■仕事は量ではなく質

「一般95%社員」の作成する資料のほうが、「5%社員」の資料より総ページが32%多い傾向にありました。中身の薄さを誤魔化すために、作成枚数を増やしたと思われるケースも散見されました。

一方、「5%社員」は、そもそも資料作成時間が一般社員より20%ほど短く、作り上げた資料の枚数は少なく、パワーポイントの1スライドの中に使用する文字数も少ない傾向が顕著でした。

彼らは伝えることよりも「伝わること」を目指しています。相手の頭の中に入れるべき重要なことを見極め、それを資料の中で視覚を通して相手に「伝わる」ようにしています。