シャーロットにはヒロインにありがちな変な弱さがない。男に教育されて働き方を変えたり、大統領選への立候補を諦めたりもしない。圧倒的にプラス思考な、成功した例としてリアリティのある存在だ。2人が寝る関係になっても、早くいってしまってごめん、と先に謝るのはシャーロット。女の子は男の子に救ってもらう必要などないんだということをここまで明確に示した映画はないだろう。

男の子の夢を表現した映画

女性が男性に求めていることは、自分の正義感を押し付けたり偉そうに説教を垂れることではない。そばにいて自分の味方をして励ましてくれたり、ポップコーンを片手に映画を一緒に楽しんでくれたり、才能を活かせるように助言してくれたりすることなのだから。

フレッドは、自分の考えを一方的に振りかざすことの偏狭さに気づき、自分を客観視できるまでに成長を遂げる。彼の黒人の親友ランス(オシェア・ジャクソン・Jr)は親友の不幸にとことん付き合ってやる頼りがいのある人物だ。フレッドは長年彼と過ごしながら、彼が共和党員であることを知らなかった。黒人ならば民主党員だろうと決めつけていたからだ。そこには、完全なレイシズムが存在する。フレッドははじめて、自分も狭量なクソ野郎であることに気が付く。

この映画は、外見は冴えないけれど知性とウィットに満ちたフレッドの夢を表現したものであるともいえる。13歳の時に彼女に恋してから見続けてきた夢を。シャーリーズ・セロンが超絶美人でなければ映画として成立しないストーリーではあるので、まあ、男女でいうと片一方の夢しか1度にはかなわないのだけれど。あまりにリアリティがない、という声も聞こえてきそうだが、意外とすべてを手に入れたほんとうに強い女性に必要なのはこういう男性かもしれない。

【関連記事】
ローマ教皇が「ゾンビの国・日本」に送った言葉
「医学部でミス東大」上田彩瑛さんを育てた母は、娘に勉強する姿を見せていた
ストレスに弱い人に共通する「人間関係」の3つの問題点
妻子を捨てて不倫に走った夫が「一転して改心」した納得の理由
思うようにいかない人生をがらりと変える「思考のクセ」のつけ方