大阪都への移行には初期費用だけで241億円

読売社説は大阪都構想への疑問点を次々と示していく。

「11年以降、府と市の首長は維新が担い、研究所や港湾局、大学などの組織統合が決まった。今後も緊密に協力すれば、今のままでも効率化が可能ではないか」

組織統合は二重行政の問題を反省し、一心同体の府知事と市長が進めた政策である。大阪都構想はその政策を否定することになる。

読売社説は続ける。

「制度案では、年約8500億円に上る大阪市の財源のうち、2000億円を、府が実施する広域的な事業に移すという」
「府や市はバブル期以降、多くの事業や施設整備を手掛け、大半が失敗に終わった。明確な戦略を描かず、場当たり的に進めた結果、深刻な財政悪化を招いた。都構想で問題点を解決できるのか。具体的な青写真を示してほしい」
「移行には初期費用だけで241億円を要する。コロナ禍の中で、膨大な事務作業も強いられる」

大阪都構想は具体性に欠ける。たとえば高額な移行費用をどう捻出し、煩雑で計り知れない多くの作業をどうこなしていくのか。

最後に読売社説はこう訴える。

「感染防止のため、住民に周知する機会は限られている。15年に39回開かれた説明会は、8回しか予定されていない」
「住民が正しい判断を下せるよう、府と市は、投票日まで疑問の解消に努めねばならない」

大阪維新の会は住民のことを本気で考えているのだろうか。沙鴎一歩は大阪都構想にこだわり続けるその政治姿勢が理解できない。

産経社説も「やる以上は市民に説明を尽くせ」と訴える

産経新聞の社説(9月4日付主張)も「紆余曲折を経た住民投票だが、やる以上は意義あるものとしてもらいたい。重要なのは市民に説明を尽くすことである。現状で十分に理解されているとはいえない」と訴える。見出しも「大阪都構想の投票 やる以上は説明を尽くせ」だ。

産経社説は続けてこうも指摘する。

「大阪も新型コロナウイルス禍の渦中にある。今は都構想どころではないと感じている市民も多いだろう。4、5月に市民から意見を募集したところ『非常事態に特別区制度を考えることはできない』といった声も寄せられた。それでも強行するのだから、実施の意義も含めた分かりやすい判断材料の提供が不可欠だ」

維新の松井氏と吉村氏は一体、何を考えているのだろうか。コロナ対応よりも大阪都構想の方が重要だと考えているとしたら、それは大きな間違いである。