この秋、トヨタが軽に参入する。「死活問題や!」とダイハツディーラー。スズキは間隙を突いて首位に返り咲くのか。そして三菱・日産が提携で目指すものは……。今、この市場から目が離せない。

「死活問題や!」「絶対にやってほしくはない」

10年9月28日午前、大阪府池田市のダイハツ本社。乾いた怒声が上がる。伊奈功一社長、白水宏典会長、神尾克幸副社長ら経営陣と、約30人の販社の社長や会長が対峙していた。30人は地場資本の経営者ばかり。ダイハツ資本の販社関係者は一人もいない。このときダイハツは、トヨタへの軽自動車のOEM供給について、販社に対して正式に説明したのだった。

(田辺慎司、藤井泰宏=撮影)