国内市場では「ウーバーVS出前館」という「2強」の熾烈な競争が展開されてきた。海外では競合サービスは各国で増えており、ウーバーは先ごろ、チェコやエジプト、サウジアラビアといった地域で撤退、成長が見込める市場に注力する方針を示した。

ウォルトが「ウーバー」に勝つための唯一の条件

広島でのウォルトとウーバー・イーツの争いは、サービス開始がほぼ同時期だったこともあり、ウォルトがやや優勢だ。ウォルトは先述の通り、札幌、仙台に進出したが、すでにウーバー・イーツが先行しているため、シェア獲得には大きな困難が予想される。

広島でのウォルトの動向を見れば、ローカル店や個人店とも提携し、差別化を図ろうと懸命だ。広島の老舗お好み焼きチェーン「みっちゃん総本店」も提携先の一つだ。

とはいえ、「みっちゃん」の一部店舗ではウーバー・イーツとも提携している。取材に対し同店の担当者は「全国的な知名度があるせいか、ウォルトより注文数が増えている」と打ち明ける。

お好み焼き
写真=iStock.com/masa.k
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今後は食事のデリバリーに限らず、本国と同様に日用品など配送サービスも加わるだろう。しかし、それはウーバー・イーツも同じだ。実際、ウーバー・イーツはすでに一部コンビニと提携し、日用品の配送を始めている。“本家”との差別化はなかなか難しいだろう。

ウォルトの担当者は「ウーバー・イーツに対抗する戦略はある」と断言するが、詳細は語ろうとしなかった。後発のウォルトが日本で生き残るには、今後「北欧流」のきめ細かなサービスや品ぞろえによる「ニッチ戦略」を打ち出し、人々に受け入れられるかが課題となりそうだ。

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