歩道の真ん中を自転車がまっすぐ突っ込んできた

今年5月12日、自転車の乗り入れが禁じられている首都高で、ウーバーイーツの配達員が走行している姿が目撃された。通報を受けた警視庁高速隊が現場に向かったものの、当の配達員はすでに近くの出口から高速を降り、逃げた後だったという。

コロナ禍に伴う外出自粛要請を受け、この春、飲食店の料理配達代行サービス「ウーバーイーツ」の利用者が急増した。以来、現在に至るまで同サービスの自転車配達員が路上にあふれるようになり、大都市圏では昼夜を問わず、いたる所で大きな四角いバッグを背負った彼らを目にするほどだ。

コロナウイルスアウトブレーク東京
写真=iStock.com/rockdrigo68
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そうした配達員の中には、交通法規や運転マナーを無視した自己中心的な運転で周囲の歩行者や車両に迷惑をかけたり、最悪の場合、事故を起こしたりする者が少なくない。

私も、ウーバーイーツの配達員から被害を受けた一人である。

4月の末、自宅近くのスーパーの歩道で、自転車がこちらに向かって進んできた。私の左右には誰もおらず、すれ違えるスペースはあった。しかしその自転車は、進路変更せずにまっすぐ突っ込んできたのだ。

アプリをダウンロードしなければ問い合わせすらできない

衝突する寸前で運転者はブレーキをかけたが、それでも私を避けて進もうとはせず、止まったまま。要はこちらに対して〈お前がよけろ〉というわけだ。ここまでされて笑って見過ごすほど私もお人よしではない。すれ違いざま20代前半と思われる運転者をにらみつけると、なんと相手も振り向きながらにらみ返してきたのである。マスクもしていなかったので、その若者の形相ははっきりとわかった。そして背負っていた大きな黒いバッグには、くっきりと「Uber Eats」のロゴがあったのである。

この事故未遂を腹に据えかねた私は、ウーバーの従業員教育に対する姿勢をたださないことにはどうにも気が収まらなかった。そこで公式サイトに当たってみたのだが、問い合わせ先の電話番号はどこにも記載されていない。

よくよく調べると驚いたことに、ウーバーの日本法人に連絡を取るには、ウーバーイーツのアカウントが必要なのだ。つまり、ウーバーイーツの注文客でもなんでもない第三者であっても、ウーバーイーツのアプリをダウンロードし、会員登録した上でなければ、クレームを伝えることができない仕組みになっているのである。それも問い合わせフォームを経由しなければいけない。

まさかそんなはずはないと入念に調べてみると、複数のブログに問い合わせ先の電話番号とされるものが書いてあった。この番号は、公式サイト上にはどこにも記されていない。そこへかけてみたが、現時点では自動音声で「新型コロナウイルス感染症の影響により、電話サポートは一時的に停止させていただいており、アプリのヘルプよりお問い合わせを受け付けております」というメッセージが流れるだけだった。